貴方の愛に捕らわれて
「おい、つけたって何やってんだよ!?」
「だって章司、何を聞いても黙りじゃない!
しかも、修学旅行は一緒に回ろうって約束してたのに、何で急に一緒に回れなくなった訳?」
今まで黙って話を聞いていた章司さんが声を荒げた。
そんな章司さんに、篠田さんが激しい感情をぶつける。
「……チッ」
「また黙りなんだ…。
ねえ、私の事が邪魔になったのなら、はっきり言ってよ」
「だからそんなんじゃねえって言ってんだろ!」
「じゃあ、ここ最近の行動は何なのよ」
「………何でもねぇよ。お前の勘違いだ」
篠田さんを見つめる章司さんの目が、一瞬苦しげに揺れ、ふいっと視線を逸らしてしまう。