貴方の愛に捕らわれて
 

章司さんが物凄い勢いで壁際まで吹き飛ばされると、次に堀田君はギラギラとした獰猛な眼で篠田さんを捕らえ、彼女の綺麗に巻かれたピンクブラウンの髪を、容赦なく掴み引きずり倒した。



『止めて!お願いだから酷いことしないで』



気がつけば夢中で、堀田君の筋肉質な太い腕にしがみついていた。



私の行動に驚いた堀田君は、驚愕の表情で食い入るように、腕にしがみついた私を見つめる。



そんな堀田君の視線に怯み、掴んでいた指先の力が抜けそうになったが、何としても止めなければと思いなおし、必死にしがみつく。



篠田さんを苦しめ、章司さんに辛い思いをさせたのは、私の所為なんだから、これ以上二人を巻き込んでいい訳がない。



そう思ったら、震える指先に力が戻った。



余りにも必死な私の願いを聞き入れてくれたのか、堀田君は掴んでいた手を緩めてくれた。



 
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