貴方の愛に捕らわれて
呆れられた?
それとも……、軽蔑された?
またしても「捨てられてしまうのでは」という恐怖に捕らわれ、唇をぎゅっと噛みしめ、青ざめて俯いていると、顎をとられて強引に上を向かされた。
そこには酷く心配そうな表情を浮かべた猛さんがいた。
「そんなに痛むのなら医者を呼ぶか?」
………お医者さん?呼ぶ?
!!
『ちがっ、違います』
ただ不安にかられて顔を上げられなかっただけなのに、昨夜の行為で私を傷つけたと勘違いをした猛さん。
医者を呼ぶかと言われてびっくりするあまり、不安なんて一気に吹き飛んでしまった。
携帯を手にした猛さんを、慌てて止めようとしたら、下腹部に鈍い痛みが走った。
けどそれはお医者さんに診せる程の痛みでもないし、っていうか診せるなんて無理!絶対に無理ですから!!