貴方の愛に捕らわれて
 

私が不安になるのは猛さんの所為じゃない。



ましてや猛さんのことが信じられないなんて、有るわけがない。



そりゃあ猛さんの仕事柄、私には言えないことや世間様から非難されるような、それこそ法に触れることだってしていることぐらい分かってる。



けど、猛さんはいつだって私には誠実だったもの。



私が信じられないのは



―――私自身だ




私は大きく息を吐き出すと猛さんの瞳をちゃんと見て、自分の気持ちを言葉にした。



『猛さんのことは信じています。私が信じられないのは、私自身なんです。


猛さんに愛されているのも、大切にされているのも、ちゃんと分かっているんです』



「お前は自分の何が信じられないんだ?」



『私なんかがこんな風に愛される価値、有るのかなって……


私のことを知れば知るほど、いつか私に幻滅して捨てられるんじゃないかって…』



 

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