貴方の愛に捕らわれて
 

どうして猛さんは突然、学校を休ませるなんて言い出したのかしら。



困惑する私の耳元で諭すように告げられた言葉に、更に困惑が深まる。



「今日は無理せず体を休めろ。それにもう10時をまわってる、諦めろ」



えええっ!10時過ぎ!?どれだけ爆睡してたんだろ。



予想以上の寝坊にあたふたしている私とは正反対に、猛さんは私を抱きしめたまま、二度寝を楽しむよう瞼を閉じた。



猛さんの言葉で昨夜の行為を思い出し、カッと頬が暑くなったが、そんな場合じゃない。



さっきはお医者さんを呼ぼうとするし、猛さんって心配?



そりゃあ、アソコに何か挟まってるような感覚や鈍痛はあるけど、でも学校を休むほどじゃない。



それにあの後、篠田さん達がどうなったのか凄く気になる。


猛さんがきちんと教えてくれたから、「処分」は必要なことなんだと納得はした。



けど、だからこそ、その結果から目を背けちゃいけないと思う。



もう友達だなんて言ってくれないかもしれない。けど、それでも私は目を背けない。だって、猛さんと一緒に生きるって決めたんだから。



 
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