貴方の愛に捕らわれて
今日休むというのは、何だかそのことから逃げているような気がして、私は猛さんに「今日は学校に行かせて」とお願いした。
「そんなに言うなら一人で立ってみろ。それが出来たら送ってやる」
しつこくお願いをする私に、根負けしたように猛さんが折れてくれた。
「一人で立てたら」なんておかしな条件を提示されたけど、それさえクリアすれば学校へ行かせてくれるらしい。
怪訝に思いながらも、だるい体を引きずるようにベッドの端まで移動すると、床に足を下ろして立ち上がった。
―――!!
いや正確には、立ち上がろうとした瞬間、カクンと足から力が抜け、そのまま床に崩れ落ちた。
何が起こったのか理解する間もなく、横から延びてきた逞しい腕に、すくい上げられる。
気がつけば猛さんの腕の中で呆然としていた。