貴方の愛に捕らわれて
『あの…頭を上げて下さい。
皆さんのおっしゃることは、当然のことだと思います。
私はまだ子供ですし、世間知らずです。何の役にも立てません。
ですが、猛さんが望んで下さるうちは、側にいさせて下さい。至らないところは直します。どうかよろしくお願いします』
今は認めてもらえなくても、沢山努力していつか認めて貰えばいい。
ううん。例え認めて貰えなくても、猛さんが要らないと言うその時まで、私は猛さんの側に寄り添っていたい。
だからそのためにも、この人達から逃げちゃ駄目だ。
猛さんの大切な人達だもの。強面でちょっぴり?怖そうな人達だけど、この人達はきっと大丈夫。
猛さんが穏やかな表情で見守っているとは知らず、私は居並ぶ強面の男達の前に、自ら一歩を踏み出して頭を下げた。
「「姐さん、よろしくお願いします」」
息もぴったりな強面集団の声に、ピクリと跳ねてしまったことは、見逃して欲しい。