貴方の愛に捕らわれて
一体どうして?訳が分からず、呆然と隣に座る猛さんを見れば、眉間にシワを寄せた不機嫌モードの猛さんに睨まれた。
「お前の考えてる事なんてお見通しだ。
俺に迷惑を掛けられないとか言って、学校辞めるつもりだったろ。
そんな事はさせないからな。学校にはちゃんと行け」
『………』
申し訳ない気持ちでいっぱいになる私に、住田先生が諭すように話しかけてくる。
「私はね、高校ぐらい通わせて貰って当然だと思うよ。
だって猛君と付き合わなければ、君は奨学金で卒業出来た訳だし」
そうは言っても、本当にそこまで甘えても良いのだろうか。
「言っただろ。これからは、お前の面倒は全て俺が見るって。遠慮なんかしてんじゃないぞ」
伺うように見つめれば、険しい目元を緩めて少しだけ困ったような笑みを浮かべた猛さんに、額をコツンと弾かれた。