貴方の愛に捕らわれて
俺の腕に張り付いたまま、龍二に媚びる女に辟易しながらも、女の口から語られる内容に耳を傾ける。
この鬱陶しい女を侍らす理由、それは洒落っ気も物欲も全くない香織を、同い年の女達と同じように着飾らせてやりたい。唯それだけだ。
ねっとりと絡みつく香水の香りに、我慢の限界に近づいた俺は、情報収集の続きは龍二に任せ、ここ数日の香織の様子を思い出し、一時の幸せな余韻に浸った。
週末、初めてダチと遊ぶ約束をした香織は、その興奮からなかなか眠れないようだった。
深夜過ぎに帰宅した俺に促され、やっと寝たかと思えば四時間程ウトウトして、早くも起き出す気配。
まだ早いから寝てろと言って、その小さな身体を抱き寄せてやれば、一時程は腕の中で大人しくしていたが、それが限界だったらしい。
まるで子供みたいに落ち着かない香織が可愛くて、笑いながら腕の囲いを解いてやれば、軽やかにバスルームにかけて行く。