貴方の愛に捕らわれて
 

これを計算じゃなくやってのける香織が、愛おしくて仕方ねえ。



腕の中で甘えていた香織は、程なくしてここが外だということに気づき、真っ赤になりながらダチに手を振って車に逃げ込んだ。



ダチとの間に割り込んだ罪滅ぼしじゃないが、見回りまではまだ時間がある。



傘下の経営する料亭が近くにあった事を思い出した俺は、和食好きな香織と夕食を共にするべく、龍二に指示した。



移動の間も飯の間も、今日あった事を嬉しそうに報告する香織。



不思議な事に、さっき迄はダチに向ける笑顔に、あんなに嫉妬と独占欲を剥き出しにしていたのに、目の前に香織がいるだけで、全然そんな気が起こらねぇ。



寧ろ、嬉しそうに話す姿が可愛くてしょうがねえ。



予定外にも夕食を共に出来た事で機嫌を直した俺は、香織を本宅まで送ると先に休むよう告げて、週末で賑わう繁華街に向かった。



 

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