貴方の愛に捕らわれて
17
会合を終えて、そのまま酒宴になったところで、俺は一旦中座した。
俺が出て来るのを待っていた智也。その表情を見て、すぐに香織の容体にいい変化があった事を知らされた。
詳しい報告を受けるために、龍二を連れて部屋に戻る。
「姐さんの意識が戻りました。脳震盪を起こしただけで、検査の結果も問題はありませんでした。
右半身は全治二週間の打撲です。
念のため今晩一晩、病院に泊まって様子を見て、明日には退院出来るそうです」
智也の報告に、知らず知らず小さく息を吐く。思いの外、緊張していた事に気がついて、苦笑が漏れる。
だが次の言葉で気分は一気に下降した。
「姐さんの病室に刑事が来たそうです」
警察が動く事は予測出来ていた。だから対策もとってあったのだが、矢張り心配な事に変わりない。