貴方の愛に捕らわれて
 

今後、香織に警察が接触してきた場合は、対応の全てを顧問弁護士に任せるよう指示した。



「藤野の件ですが、やはり冴子と繋がってました。


組長が睨んだ通り、泳がせておいたら冴子に繋ぎを付けましたよ。通話はキッチリ録音しましたが、ただそこから上に繋がるような証拠は出てきませんでした」


藤野が香織に嫌がらせをしている事には、とっくに気付いていたが、藤野の意識だけでやっているとは思えなかった。



背後で糸を引いている奴を炙り出すまではと、泳がせていたのだが裏目にでちまった。



藤野の嫌がらせは些細なもので、香織が堪えられそうになければ、直ぐにでも手を打つつもりでいたし、香織も自分の力で何とかしようとしていたから、今まで黙っていたんだが、まさか手を出してくるとは。俺の完全な判断ミスだ。



香織を病院に連れて行くと佐武から連絡が入った時、まさに絶好の機会だと思った。コレを逃す手はないと。



 

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