貴方の愛に捕らわれて
 

香織を病院へ運ぶその混乱に乗じて、態と藤野の監視を外すよう命じたが、こうも簡単に罠に掛かるとは。



録音した会話の内容だけでも十分だったが、藤野の口から自分の名が出ることを恐れた冴子は、口封じのために叔父の組の組員を使った。



自分が口封じに消されるとも知らず、地下室を抜け出した藤野。二人が接触したところで、まとめて身柄を押さえた。



これで組は関係ないとは、言い逃れ出来なくなったな。組長の関与までは証明出来なかったが、これ以上、野放しにして香織を危険に曝す気はねえ。



組員という動かぬ証拠も得られたら事だし、さて、どうやって落とし前を付けさせるか。



香織に手を出したこと、死ぬほど後悔させてやるぜ。



今から始まる報復のショータイム。キッチリ楽しませてくれよ。



報告を全て聞き終えたところで、未だ自分の危機的状況に気付いてない冴子が、ノコノコと俺を呼びに来やがった。



俺は冴子に気取られぬよう、絡み付く腕をそのままに、未だ俺の入籍発表の真相を巡ってざわつく宴会場に戻った。



 

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