貴方の愛に捕らわれて

この龍二の行動に焔虎のヤツらがどよめいた。




それもそのはず、龍二はアイツらの3代前の副総長で、俺の右腕だ。



それがどこの誰かも分からない小娘に突然頭を下げたんだ。



龍二の行動の真意を図りかねていると、香織が恐々と龍二に話しかけた。



いきなり頭を下げられた香織は、とにかく頭を上げてくれと俺の腕の中でオロオロするばかり。



しかし、そんな香織の言葉を無視して、頭を下げる龍二。




とうとう頭を上げてくれるよう懇願しだす香織。




すると、龍二は許してくれるのなら車に乗れと後部ドアを開けて乗車を促した。


モデル並みの甘いマスクに、極上の笑みを浮かべて…




ところが、腕の中の愛しい小鳥は、龍二の笑顔に困惑の視線を向けるだけで微動だにしない。



固まる香織に、あれこれ理由を付けて優しく誘う龍二。





どうやら龍二は、自分に怯える香織を車に乗せるため、一芝居打ったらしい。



 
< 51 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop