貴方の愛に捕らわれて

『町外れにあるコンビニのお弁当工場です』




「へっ!? 弁当…工場……?」




予想もしなかった香織のバイト先に、思わず絶句する龍二。



俺も驚いて横に座る香織を見れば、恥ずかしそうに俯いたまま、俺達の疑問に答えた。



『私、人見知りが激しいから、工場の方がよくって……』



いくら探してもバイト先がわからない筈だ。



まさか16才の女子高生が、工場で働いているとは……



しかも深夜まで働くとは、何か家庭に問題でもあるのか?



香織の事は龍二に調べさせたが、母子家庭で母親との二人暮らし。



母親はクラブを経営していて、金には困っていない筈だ。



母親の店は俺のシマにあるから間違いない。



なら、なんで深夜までバイトをしているんだ……?



俺は疑問を口にした。






 
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