貴方の愛に捕らわれて
一人の留守番が寂しいからといって、普通、深夜までバイトをするか?
あれこれ考えていると、不意に香織が顔を上げた。
俺の目をじぃっと見つめていたかと思うと、ゆっくりと口を開いた。
『あの…、猛さん。ごめんなさい』
か細い声が紡いだのは、唐突な謝罪の言葉。
「ん?」
思い詰めた表情で更に何か言いたげな様子に、優しく促してやると
『私、男の人が…その……苦手で……。
この間は、えっと…びっくりして逃げてしまって………。
今週はバイトをお休みしていたから行けなくって……』
唇をギュッと噛みしめ、潤んだ瞳で一生懸命に語りかけてくる。