貴方の愛に捕らわれて
「このままバイト先に行くのか?」
取りあえず触れても怯えなかった事に安堵した俺は、この後の予定を聞いてみた。
『いえ。一度家に帰って支度をしてから行きます』
「なら、家まで送る。住所は?」
香織の住所などとっくに調べはついていたが、何食わぬ顔で聞いた。
香織は躊躇う事なく、素直に自宅の住所を告げた。
………人を疑うって事を知らないのか?
普通、こんな怪しげな男に自宅の住所を教えるか?
しかも無理やり車に乗せられている状況で。
香織の無防備さが、いささか心配になりつつ、自宅まで送った。
猛saido end