貴方の愛に捕らわれて
「香織!どういう事だ」
『あ…れ……?猛さ……ん…?』
誰かが部屋に入って来た事に驚いて、重たい瞼を無理やりひらくと、そこには怖い顔をした猛さんがいた。
猛さんがいる筈ない……。これは…夢?
「組長、薬です」
「何のだ」
あれ?なんか龍二さんの声もする?
猛さんは怖い顔のまま私のベッドに近寄ると、私がくるまっていた布団を強引にめくった。
「…風邪薬ですね……」
「あ゛ぁ!?」
『あの、どうして……?』
なぜだか分からないけど、怖い顔で私の事を見下ろしている猛さん。
突然現れた猛さんにびっくりして、ふしぶしが痛む体を無理やり起こした。
その瞬間、激しい目眩に襲われ、私は意識を手放した。