貴方の愛に捕らわれて
女子高生が一人でホテルに入る。
………援交
嫌な考えが脳裏に浮かぶ。
まさか香織に限ってそんな筈はないだろう。
だが、ドラッグストアで何を買った?
何でホテルに泊まる?
まさか、付き合ってる男……?
いや、龍二の調べではそんなヤツはいなかった。
クソッ!わからねぇ!
香織のメールからホテルに乗り込むまで、20分もかからなかった。
龍二はすぐさまフロントで香織の部屋を確認する。
香織は母親の名前で部屋を取っていた。
龍二はすぐさま支配人を呼びつけ、スペアキーを出すよう迫った。
俺は、こうしている間にも香織が男と一緒にいるのかと思うと、いてもたってもいられず、龍二を残し急いで部屋に向かった。
部屋の前で一旦、高ぶる気持ちを落ち着かせる。
香織は“まだ”俺の女じゃねぇ。
だから今の俺に香織を非難する権利はねぇ……
イラつく気持ちをねじ伏せ、香織の泊まる部屋のドアをノックした。
二度、三度ノックをしても、部屋の中からは物音一つ聞こえて来ない。
そこへ龍二が鍵を持って現れた。
鍵を開けさせると勢いよくドアを開けた。