貴方の愛に捕らわれて

仕方ねぇだろ。病気になんて、なった事ねぇんだから……



とりあえず榊と入れ違いで戻ってきた龍二を呼ぶ。




「龍二。お前、風邪の時の看病の仕方って分かるか?」



「え…!?すみません…。自分、風邪ひいたこと無いんで分かりません」





だよな……。



長い付き合いだが、俺もお前が風邪ひいたところを見たことねぇよ。




困惑しながらも答える龍二に舌打ちし、智也に声を掛ける。



「智也。お前分かるか?」



「はい。自分、妹がいるんですけど、そいつがよく熱出して看病してましたから分かりますよ」



智也が看病しなれている事に安堵する。


「そうか。じゃあどうするんだ?教えてくれ」




「いや、組長。そんなこと、自分がやりますから」



自分がやりますと言う智也に、「俺がしてやりてぇんだ。だから教えろ」と言うと、智也と龍二は目をむいていた。



 
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