◇白黒恋争物語◆~運命の翼~
「もっしも~し」
<・・!川村先輩ですか・・?>
「おお!その声は領汰じゃ~ん」
その言葉に私は驚いた。
(領汰・・?どうして・・)
「あのさ~。今ね?俺さ棗ちゃんと楽しい遊びしてるんだわ~。いいだろ?」
<・・楽しい遊び・・>
「うん。楽しい遊び。だから邪魔すんなよ~?」
そう言って川村先輩は電話を切ってしまった。
「今の電話。棗ちゃんのボディーガードの領汰からだったよ」
「・・領汰は・・」
「ん?領汰は?」
「領汰は助けに来ます!私のこと、助けに来ます!」
「プッ。アハハハハハハハ!確かさ~。棗ちゃんと領汰って仲悪いんじゃなかったけ~?」
「そ、そんなことない!領汰は私のこと・・・助けに来てくれます!!」
・・自分でも領汰が助けにきてくれる根拠や自信なんて無かった。
ついさっき喧嘩しちゃったばかりだし。
そんな期待なんてどこにも・・・なかった・・・。