◇白黒恋争物語◆~運命の翼~
「あ!!領汰くん!!!」
「あ。有紀ちゃん」
「・・・あ・・・。ご、ごめんなさい・・ッ。私何もできなくて・・!」
「なんで泣くの?別に有紀ちゃんが悪いわけじゃないんだから」
「でも・・自分で自分が愚か過ぎちゃって・・。親友の1人も助けられないで・・。人にばっかり頼って・・。それに助けられもしないのに、棗のこと何でも知ってるような口聞いて・・。馬鹿すぎちゃって・・・!!」
「何言ってんだよ。俺が有紀ちゃんに行くなって言ったんだ。相手は男だし、有紀ちゃんまでも捕まったら俺・・・」
「・・うぅ・・!ホント・・・・ありが・・と・・ぉ・・!」
「あぁ。棗なら無事だぞ・・・この通り、安心しきって寝てる。ホラ」
有紀ちゃんは棗の寝顔を見るとホッとして階段に座り込んでしまった。
「・・クス。・・・ほんとだ。・・・もう心配かけんなよ。棗」
2人の声が夢の中で響く---。
領汰の腕の中で私は微笑む。
有紀。私やっぱり幸せ者かも。
だって、私を守ってくれる幼馴染と、いつだって私を心配してくれる親友がいるんだもん。