怪談
…ぶつっ。


…ぶつっ。


…ぶつっ。


包丁で銅線を切るような音がした。

途端、右薬指に神経痛のような痺れが走った。

まるで筋を切られたような激痛だったという。

あとで留守録を確認してみたが、三十秒ほどの伝言時間にその奇妙な音以外は何も入っていなかった。

気味が悪いのでその着信履歴は消したが右の薬指はいまだに時々激痛が走り、



痺れるという。





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