怪談
「なんなんでしょうね、気持ち悪いですね。
別にその夢見たからいうて何にも起こらへんみたいですよ。
ただまあ、めっちゃ怖いから嫌なんですって。
でも雷に打たれる夢は吉夢やとか言うし、案外ええ夢なんちゃう?
て、言うときました」
気の持ちようやし、そういうの。
と快活に笑う同僚に、そうやね、と返しながら、私は『ある事』を言うべきか言わざるべきか悩んだ。
夢の内容も、繰り返し見る意味も、限定された季節の理由も私にはわからない。
だが、飛び起きた時刻が常に同一というのが気にかかる。
Dさんがその夢で飛び起きる時間は
午前2時。
『丑三つ時』だ。
別にその夢見たからいうて何にも起こらへんみたいですよ。
ただまあ、めっちゃ怖いから嫌なんですって。
でも雷に打たれる夢は吉夢やとか言うし、案外ええ夢なんちゃう?
て、言うときました」
気の持ちようやし、そういうの。
と快活に笑う同僚に、そうやね、と返しながら、私は『ある事』を言うべきか言わざるべきか悩んだ。
夢の内容も、繰り返し見る意味も、限定された季節の理由も私にはわからない。
だが、飛び起きた時刻が常に同一というのが気にかかる。
Dさんがその夢で飛び起きる時間は
午前2時。
『丑三つ時』だ。