記憶の桜 -花空残夢-


すると、土方さんは足を止め、後ろを振り向いた。




「涼、お前は城で怪我人の治療と炊き出しに回れ」




「はい、分かりました」




本当は彼の傍で共に戦いたい…。




でも、此処は戦場だ。




女の私が居たら、彼の足手まといにしかならない。




「気をつけてくださいね、土方さん」




「…ああ」




短く答えると、土方さんは再び歩き出した。






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