記憶の桜 -花空残夢-
「堅物だ…」
大鳥さんが呆れたように呟いた。
大鳥さんは急な用事で会津公に謁見を申し出たけど、断られたらしい。
堅物というよりも、古くからの武士道を彼らは守っているだけな気がする。
「大鳥さん、今は会議中だ。小言は後にしてくれ」
小言をたれる大鳥さんを土方さんがたしなめる。
「す、すまない。それより、敵の進軍経路は?」
「ああ、あくまで俺の推測だが…」
土方さんは地図に視線を移し、新政府軍の進軍経路を予測し始めた。