記憶の桜 -花空残夢-
【斎藤】


俺は葛葉の横に立ち、空を見上げた。




「綺麗な空だ…」




「でも、戦場になったら、こんな綺麗な空も砲撃の煙で見れなくなってしまいます…」




見れなくなる事が哀しいのか、葛葉は下を向いた。




こういう時はどうするべきだ?




悩んだあげく、俺は彼女の頭に手を乗せた。




それに驚いたのか、葛葉は顔を上げる。






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