記憶の桜 -花空残夢-
「そういえば、そうだな。しかし、急にそう言われてもな…」
斎藤さんは心底困ったように腕を組んで、頭を捻っていた。
何か、困らせちゃったみたい…。
「斎藤さんの呼びやすい方で良いですよ。ふと、思っただけなんで…っ」
私は彼を困らせてしまった事に焦りを隠せない。
「2人して、そこに突っ立って何してんだ?」
「ひ、土方さん…っ!?」
縁側の方を見ると、土方さんが呆れたように立っていた。