記憶の桜 -花空残夢-


すると、斎藤さんは歩む足を止め、こちらを向いた。




「俺がそう言わなかったら、土方さんは此処に残って、死に急ぐような行動をするだろう」




どうやら、土方さんが死に急いでいるように見えたのは、私だけではなかったようだ。




「だからって、貴方が犠牲にならなくても…」




「俺は俺の恩義を返すだけだ」




恩義…?




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