記憶の桜 -花空残夢-


「俺は右差しだ。それが原因で何処でも煙たがられていた」



斎藤さんは武士の中でも珍しい右差しだ。




普通、武士は左利きの人でも右で剣術を鍛え、刀を左側に差す。




でも、彼の場合は右ではなく、利き手である左で刀を握り、刀を右側に差している。




「だが、新選組は違った…」




確かに、あの人達が左利きというだけで、煙たがるような事はしない。




あの人達はそういう人達だったから――。






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