記憶の桜 -花空残夢-


俺はそんな我が子を愛しく思い、抱き上げた。




「大丈夫、姉上はきっと元気になるよ」




翔馬の頭を撫でると、俺は翔馬を抱いたまま、夏依の待つ部屋に戻った。




そして、ある人物に文を書いた。




頼むから、返事をくれ。




榎本さん…っ。




そう、俺が文を書いたのは旧幕府海軍副総裁、榎本武揚さんだ。




そして、1ヶ月後に榎本さんから文が届く事になる――。






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