記憶の桜 -花空残夢-
俺はそんな涼の手を引き、抱き寄せた。
急に抱き寄せたせいで、涼は体勢を崩す。
でも、そこは俺が上手く支えてやり、流れるような動作で向き合うようにして、涼を膝の上に座らせた。
「ひっ…、土方さん…っ」
涼は恥ずかしそうに、さっきよりも更に顔を赤くした。
「だ、誰か来たら、どうするんですか…っ!」
余程恥ずかしいのか、涼は必死に俺の膝から下りようとしている。
そんな姿が愛おしく感じる。