記憶の桜 -花空残夢-
第6章 記憶の果てに
私が蝦夷に来て、数ヶ月が経った頃。
「土方さん、遅いな…」
彼は今、軍議に出席している為、部屋には居ない。
私はその間に部屋の掃除をした。
すると、土方さんが大鳥さんと一緒に部屋に戻って来た。
「お疲れ様です、土方さん、大鳥さん」
「…ああ」
「葛葉君もお疲れ」
土方さんは執務机の前に座り、大鳥さんは長椅子に腰かけた。