記憶の桜 -花空残夢-
「俺だ、原田左之助だ」
「は、原田さん!?」
私の目の前に立っていたのは、原田さんだった。
彼は黒を主体に、襟から腰にかけて赤をあしらった服を身につけ、肩くらいまであった髪をばっさりと切っていた。
一瞬、見ただけでは誰か分からないくらい、雰囲気が変わっていた。
「お、涼ちゃん」
「永倉さんに斎藤さんっ!?一体、何があったんですか?」
「副長の命令だ」
動揺している私に対し、斎藤さんは冷静に答えた。