記憶の桜 -花空残夢-
「何故、洋装なんでしょうね?」
「これからの戦は洋式が主体になる。だから、服装もこっちの方が楽だと思ってな」
後ろから土方さんの声がした。
振り返ってみると、私は呆気を取られた。
何故なら、彼も洋装していたから――。
皆と同じ黒を主体とし、襟から腰にかけてが紫色の服。
でも、彼の首にはスカーフという布が巻かれ、上着の中にももう1枚着ていた。
長くて綺麗だった髪も襟の辺りまで短くなっていた。