記憶の桜 -花空残夢-
「お待たせしました!」
洋装に着替えに行った涼ちゃんが戻って来た。
「ぬぁ…」
おいおい…、似合いすぎだろ。
涼ちゃんは俺達と揃いの上着を身につけている。
ただ、彼女のは袖が無く、その代わりに手甲をはめていて、襟の部分に桜の模様が入っていて、女の子らしい物だった。
多分、見繕ったのは土方さんだろう…。
今まで涼ちゃんは紺色などの暗い色の袴だった。
あの人なりに涼ちゃんを気遣ったのだろう。