記憶の桜 -花空残夢-


「似合うじゃねぇか、涼」




「ありがとうございます、原田さん。でも、釦(ボタン)っていうのは難しいですね」




確かに釦は難しかった。




穴に金具を入れるなんて簡単だと思ったが、意外に大変だった。




「そういえば、涼ちゃん。髪はどうすんだ?」




涼ちゃんは腰の辺りまである髪を高い位置で結ったままだ。







< 38 / 274 >

この作品をシェア

pagetop