記憶の桜 -花空残夢-


「土方さん…」




私が声をかけると、彼はぴくりと肩を揺らし、顔を上げた。




彼は酷く疲れたような顔をしていた。




私は土方さんの横に腰を降ろすと、地面についている彼の手を触れた。




「土方さん…、少しだけ傍に居させてください」




すると、土方さんは触れているだけの私の手に指を絡ませて来た。




いきなりの彼の行動に私の胸の鼓動が高まる。




ふと、彼の手が震えている事に気付く。





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