蒼色キャンディ
「そっ…それはまずいわね……」

「細かくは知りませんが人が『じさつ』をする直前に悪魔は体を乗っとろうと………」



エイメルがそこで切る。



「………するらしいです」





らしいですか。しかも切らなくていいでしょう。



「乗っとられたケースが少ないので断定は出来ないです」

エイメルはうんうんと首を振る。

「えっとエイメルは自殺って何か知ってる?」

奏の質問にエイメルは首を横に振った。

「いいえ、それは…教えて貰いませんでした…『じさつ』って?」
「死ぬ事を望んで死んでしまう事よ」
「………」


ぽく、ぽく、ぽく、ちーん


「えぇぇぇ!!!」

エイメルが絶叫する。
聞こえているのが奏だけなので周りの家の人は知らん顔をしている。

「そんなぁ………」



ほ…本当に知らなかったんだ………



そうこう言っているうちに学校についた。
相変わらず空日野中学校の看板は男子の悪戯で『日』の字が抜けている。
やはりいつも通り、奏が一番乗りだ。


「学校ついた。エイメルは私が誰もいないところで合図したら喋っていいわよ。それ以外で喋ると集中できなくなりそうだから」
「はーい」


エイメルは強く返した。



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