蒼色キャンディ

悪魔の翼

翔が静かに倒れた。

私はただ、黙って翔から出て来た黒い翼を持つ者を見つめた。



形は人じゃない……けど……


蝙蝠みたいな羽が生えた猪………?





悪魔ってこんなですか、エイメル君……

なんか、ことごとくイメージ壊されてる気がしてならないんだけど………


「ほら!エイメル!早くその女連れて逝けっ!」
「……なんか今微妙に殺意を感じた様な……」


奏が呟くがそれを悪魔が鳴き声で打ち消す。


「あたし自身も、悪魔と会うのは初めてだから…時間稼ぎにしかならないかもしれない。だから早く逝きなさい!!」
「だからちょっと漢字が違うって!!何か怨みでもあるの!?エイメルに!」


奏の叫びを無視して天使は悪魔の方を向く。


「ただでかいだけの雑魚悪魔…かな?」


天使はそう言って弓を構えた。


「行こう!エイメル」
「いいんですか!?あの人を置いていって!」
「行けっていわれたら行くしかないでしょ!?」


奏が走りだし、エイメルも後を追った。


「さぁ……かかってきなさい。あたしが相手になってやるから!!」


言い終えた途端、悪魔は雄叫びをあげて、天使へと飛び掛かった。




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