蒼色キャンディ
「ここまで来れば大丈夫かな…?」
奏が肩で息をしながら言った。
ここは学校の一階。
屋上から全速力で駆け降りて来たのだ。
「…大丈夫かな…あの人……」
エイメルが心配そうに言った。
奏が安心させる様に言う。
「大丈夫だよ!だってあの赤毛の天使ちゃんは弓矢を持ってたでしょ?それに大丈夫だって言ってたじゃん」
「あぅ……はい……」
一応頷くものの、まだエイメルは心配が抜けきってない様だった。
奏が問い掛ける。
「エイメルは…悪魔に会った事はある?」
「いいえ、ありません……マルスが危ないからって……」
エイメルはしゅんとして地面を見つめた。
その状態のまま続けた。
「でも…悪魔を倒しに行って、帰ってきた時いつもマルスは怪我してるし…悪魔を見てなくても危ないのはわかります!」
エイメルは必死に言った。
その言葉に奏が少し唸る。
それを見てエイメルの目に強い光が宿る。
そして言った。
「僕、見てきます!奏は危ないからここで待ってて下さい!」
「えぇっ?エイメル待って!!」
奏の呼び止めも聴かず、エイメルは羽を広げて階段を飛びながらのぼっていく。
「私疲れてるんだけど〜〜〜!?」
この急な階段をのぼるだけの体力のなかった奏の叫びが響いた。