蒼色キャンディ
……………当たらなかった。
『……?』
「はぁっ!?」
「う…いたたた……」
エイメルは伏せていた顔をあげた。
天使は驚愕のあまり唖然としている。
それもそのはず。
悪魔が放ったツルをエイメルは持ち前のドジっ子体質でこけたためにかわしてしまったのだから。
「……あ!大丈夫ですか?」
「いやいやあんたの方こそ大丈夫なの!?あたしの目の前で派手にずっこけたけど!?」
「これくらい大丈夫です!慣れてますから」
「慣れてる!?」
天使がそこで悪魔の存在を忘れていたのに気付いた。
悪魔までもがエイメルの天然さに硬直している様にも見える。
天使はエイメルの手を掴んだ。
「ふぇっ?」
「一旦引くよ!!」
天使が動いたと同時に悪魔も雄叫びをあげて二人を追い始めた。
エイメルが逃げながら言った。
「あのっ!これって動かなかった方が良かったんじゃないですかっ!?」
「動かなかったら倒せないでしょうが!!この天然馬鹿ぁぁぁ!!!」
走りながら天使は怒りで叫んだ。