蒼色キャンディ
慌てふためく自分の気持ちを奏は何とか抑え、まだ呟いている彼に視線を戻す。

おもいっきり転んだせいか、おでこをまだすりすりと撫でている。


「だ…大丈夫…??」

かける言葉が見つからず、同じ事を繰り返した。

「痛い…でも…大丈夫です…」

涙目に涙声も重なり痛さを強調している。
と言うか彼………





ドジっ子要素装備済み……!?





「本当に大丈夫?」
「はい…」

彼も顔をあげる。

「さぁ立って。質問に答えて欲しいし…あ、無理だったらいいの」
「あ……」

手を取ろうとした彼はふと声を出す。

「あの…すみません、質問って何でしたっけ……?」
「!!!」





……お願いだから……







そのキラキラした目で見つめないでっ…!!




何!?このマシンガン並の連続攻めっ…!



侮れないわ……この天使……



奏は内心そう思った。

「お仕事って?」
「あぁ!」

思い出した様に彼も言う。
奏が彼を見つめ、彼も口を開く。

「えーと…僕たち天使のお仕事は…」



聴いた瞬間、奏は自分の運命が分かってしまった気がした。





「その人の一生を見守る事です」





< 5 / 37 >

この作品をシェア

pagetop