蒼色キャンディ
「一生を…見守る……?」
「はい」

彼は奏から目をそらす。

「僕は昨日、大天使様からお仕事を頂いたので地上界に降りてきたんです。途中で落ちちゃったんですけど」

彼は僅かに笑う。
だが奏は黙っていた。


一生を見守る…?
彼は今私の前にいる…
て事は…




私、死ぬの…??




「人を探してるんです。まだ見つかってないので」

彼の言葉は今や悪魔の囁きにも聞こえた。


もし……私だったら………?



「貴方が探している人…って…もしかして…」
「え?」

彼はキョトンとした顔で奏を見ていた。
それも気にせず奏は聴いた。


「『乙葉』って名前…じゃない?」


彼は目を見開いた。奏はそれを見つめる。
そして、言った。


「どうして…知っているんですか??」


彼の言葉が頭の中をぐるぐると回った。



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