彼の瞳に捕まりました!
目立つ容姿。
その言葉、
今まで何度言われただろうか?
日本で産まれ。
日本で育ち。
日本語で話しをする。
行動も他の女の子となんら変わらないのに……
外見が、
容姿だけが、
純粋な日本人とは違うもので。
それは、母方の祖母がロシア人との間に産まれたハーフであった為隔世遺伝的に、私に現れたもの。
祖母に比べたら、随分と日本人らしい顔つきではあるけれど、抜けるように白い肌に、くっきりした目鼻立ち。
外国の人形だと、幼い頃によくからかわれた。
「確かに目立つよね、私」
苛立ちを吐き出すように、淡々とした口調で返事をすると
目の前の雑誌を閉じた。
「見た目だけなら、私じゃなくてもたくさんいるんじゃない。
高瀬君に写真撮って貰いたい。
そう思ってる女の子なんて、ゴマンといるわよ」
立ち上がり、椅子に座る彼を見下ろす様に睨みつけた。
見た目だけで判断して誘う
そんな事、始めから想定内だったけれど……
あからさまに言われた分、なぜだか腹立たしさが増した様に思えた。
「その瞳
その瞳じゃなきゃダメなんだ」
睨みつける私に高瀬君はなぜか嬉しそうな表情を見せ、そう話す。
「は?」
「俺が撮りたいのは、その意志の強そうな瞳なんだ」
言っている意味が良く解らなくて言葉をなくした私に、
高瀬君はニヤリとすると、
「その顔も、イイ感じ」
意地悪な笑顔を見せた。