彼の瞳に捕まりました!
「座れば?」
立ち尽くして動かない私に、彼は事なげにそう言う。
その言葉に力が抜けたようにイスに座り込んだ。
そんな私に、高瀬君は意地悪そうな瞳を真剣なそれに変えて
ゆっくりと話しだした。
「顔がキレイとか、目立つとかだけじゃダメなんだ。
なんていうか……心に来るもんがないとダメっていうか」
「何それ……わけわかんない」
「俺が撮りたいっていうか……心惹かれたっていうのかな
麻生のその真っすぐな瞳を撮りたいって思った。だから、撮らせてくれない?」
「いやよ」
間髪いれずに断りの言葉を放った私に、高瀬は面白そうに肩を揺らした。
「予想的中」
「じゃあ、諦めて」
「いやだね。っていうかあんたは拒否できないよ」
やけに自信満々な態度に苛立ちが募る。
「わけわかんない」
吐き捨てるように言った私に、高瀬はぐっと身を乗り出して耳元で囁いた。