彼の瞳に捕まりました!
「俺、あんたの秘密知ってるんだよね~」
「秘密って?」
「知りたい?」
楽しげな声を出しながら、高瀬は軽く腰を浮かすとポケットから白い封筒を取り出しテーブルの上に大事そうに置いた。
「何?」
「中、見て見なよ」
楽しげに話す高瀬君をひと睨みしながら、ゆっくりと封筒に手を伸ばす。
置かれた封筒に指先が触った瞬間、テーブルの上から封筒が消えた。
「え……?
ちょ、ちょっと、何してんのよ?」
私の顔の前にはヒラヒラと揺らされる封筒。
その後ろには、意地悪な笑みを浮かべる高瀬君。
「そんな簡単に見せたりするわけないだろ?フツー」
「え、だ、だって……」
「見たかったら、OKって言えよ」
「もったいぶらないで、さっさと見せて!」
いつまでも渡そうとしない高瀬にいらいらしながら、写真を奪い取った。
「な、なんでっ……」
そこに写るのは、数年前の私。
ロリータファッションに身を包み、曖昧な微笑みを浮かべる
その姿に、忘れてしまいたい過去が蘇った。