彼の瞳に捕まりました!
今、私が高瀬を好きなのは本当の事
マサル君の言葉が何度も何度も頭の中を行き交った。
キスを拒まなかった理由。
浅川社長とのキスは嫌悪感があったけど、
高瀬にはそれがなかった。
つまり、それは私が高瀬を好きだっていう事で……
「私バカみたい」
気がつけばすごく単純な事。
自分で自分の気持ちを気がつかないようにしていただけの事。
身体からだったから。
知られたくない秘密で半ば強制的にだったから。
だけど、あの日。
カメラ越しに見せたあの強い瞳に……
私の心ごと持っていかれてしまっていたんだ。
だから、余計に認めたくなかったのかもしれない。
あの日の写真ではない、他の写真で彼が認められたという事に。
だから、彼のすべてを受け入れない。
そんな風に思ってしまったんだ。
「ホント、バカみたい」