彼の瞳に捕まりました!


「これだから、干物は嫌なのよ」

「干物って……」

「あんた、干物以上だけどさ」

「……」

「何とも思ってない女に夜中呼び出されて、そこに行く男が、この世の中のどこにいるのよ」

「は?」

「は?って……覚えてないの?」

「な、にを?」

私の返事にマサル君は驚いたように目を丸く見開くと、

「三ヶ月くらい前の事だけど……」

「三ヶ月?」

「そうよ、すごく酔っぱらってたみたいだったけど。
まさか無意識で電話掛けたの?」

マサル君の言葉がまったく理解できなくって、返事をしなくなった私に構うことなくマサル君は焦ったように説明を続けた。

「その日、行成が珍しく私の誘いに乗ってきたのよ。
飲んでたのはこの店だったんだけどさ。
でね、私も行成もいい感じで酔ってて、このまま行成持ち帰ってぇ。なんて邪な事考えてたら電話かかってきたのよ」

「……私から?」

「そうよぉ。そしたら行成『行かないといけなくなった』ってさぁ。お金テーブルに置いて慌ててお店でてったんだもん……」

三ヶ月前
すごく酔っぱらったのは……



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