彼の瞳に捕まりました!
「はい、自慢の景色です……」
社長はそこで、言葉を切ると私に視線をむけて、クスッとわらった。
「菜穂さんも。ですよ」
「……?」
「菜穂さんはここの景色に負けない位に綺麗だと思います。
容姿もですが、纏う空気も綺麗だなと思います」
「あ、ありがとうございます」
どう返事をしていいのかわからず、曖昧にお礼を言って頭を下げた。
「まぁ、高瀬くんと一緒にいる時のほうが、輝きは増すように感じますけど」
思いがけない言葉に、言葉を失う。
そんな私に構うことなく、社長は言葉を続けた。
「好きなんですよね?」
誰が?
なんて、とぼけることは許されない様に思えて、ゆっくりと頷く。
すると、社長は大きく息を吐いたかと思うと、
「やっぱり、ね」
と、呆れた様な声をだした。
「いつから?なんて、聞きません。この間、僕に言ったことは、菜穂さんの優しさだったんですよね?」